PLANNING CASEプランニングケース
{ PLANNING CASE-02 }大手TV通販のお客様へ
成長に繋がる中期プランを提案
- 愛須 健裕
- 2013年入社
第三営業部
就職活動をしていた際、偶然、物流企業の業態を体験するワークショップに参加。そこで、いかに効率よく、コストを最低限に抑えて荷物を運ぶのかを考えるという面白さに加え、社会貢献度の高さに惹かれて物流業界を志した。
Chapter-01
2つの仕事の経験が
営業としての基礎をつくった
入社してからはじめに配属されたのは「物流設計」を行う部署でした。そこで、8ヵ月ほど勤務し、次は物流センターで3年間。そして、現在の第三営業部に異動しています。短い期間で3つの部署を経験するというのは、当社では少し珍しいかもしれません。現在の営業では、既存および新規のお客様に対して、何を必要としているのかを対話の中から見つけ出し、最適なソリューションを提案することが主な仕事です。そう考えると、設計と物流センターで経験が積めたことは、私にとって大きな糧になったと思いますね。もともと、どうやってコストを下げるのか、どのように効率のよい物流を構築するのかといった、コンサルティング的な仕事がしてみたいと思って入社しましたが、よりよい提案をしていくためには、やはり現場をしっかりと知っておくことが大切ですから。順を追って、着実にキャリアを形成できていると感じます。そして、営業に異動してから間もなく、ある大手TV通販のお客様先での、契約更改を獲得するための新規提案を担当することになりました。これから3年間で売上を2倍にしていくというビジョンを掲げられたお客様に対して、どのような中期ロジスティクスプランを提案していくか。ビジネスが成長する物流を実現させるという難しいプロジェクトでした。
Chapter-02
一つの箱のコストを数十円
下げる
トータルで
見た時のインパクトは？
今、世の中はECで何でも欲しいモノを調べて買うことができる時代です。しかしながら、TV通販は、ある商品をピックアップして徹底的にPRできるため、爆発的なヒットを生み出しやすいという特徴があります。ただし、お客様は物流のことを考えて、販売する商品を決めるわけではありません。視点はあくまでも、消費者の方が欲しいモノに向けられています。家電もあれば、食器や食品の時もある。その時々で、物流に必要な人件費も倉庫レイアウトも変わる。常に商品が変化していくため、一概に「こうやります」ということではなく、その都度、フレキシブルに対応できるかがポイントとなりました。箱のサイズをどうするのか、倉庫にはどれくらいの人員がいるのか、どんなレイアウトにすれば効率がいいのか。そうしたことから、ある商品を販売したいという話がお客様先で持ち上がった際に、物流の側面からコストを下げるためのサポートを全面的に行っていくという提案をすることになりました。例えば、箱を1cm小さくすると、物流コストが数十円安くなります。たかだか数十円かと思われるかもしれませんが、これを何千、何万と出荷するとしたらどうでしょう。それも、年に何回も。中長期的な観点からすると、トータルでかなりのコストが削減できるのです。
Chapter-03
ただ、運ぶだけではない
経営に絡ませた物流を
また、契約更改に向けて、もう一つ肝になったのは「海外輸入」というタイムリーな課題を解決することでした。ちょうど提案をしていた時期に、ある中国製の2つの商品を輸入して、セット販売するという計画が持ち上がっていたのです。これまでは、A商品、B商品を別々で輸入して、日本でセットにするという方法が一般的でした。しかし、中期計画の中で国内物流のキャパシティ不足を課題に感じられていたお客様にとっては、よい方法とは言えません。そこで、提案したのが中国で2つの商品をセットしてから輸入をするという方法です。これであれば、国内でセットをするための人的資源を抑えることができますし、輸入した後すぐに消費者のもとに届けられますよね。これまでの常識を打ち破る大胆なアイデアでしたが、「中国と国内を含めた最適化でキャパシティを拡大する」というお客様の成長に寄り添った提案は、お客様先の幹部にもご好評をいただき、長期的な契約を結んでいただける一因となりました。この計画は現在も進行中であり、A商品とB商品をセットにするためには、メーカー先にも介入していかなければならないという難しい挑戦ですが、当社の新しいノウハウにもなっていくと思います。これは、単にモノを動かすというだけではなく、サプライチェーン全体を改善するという提案。私としては、はじめて「経営」という新たな領域に踏み込めた経験です。コンサルティング的な仕事を志して入社をしましたが、一歩ずつ、その目標に近づいていると思います。
※掲載内容は2019年取材時の情報です。
