PLANNING CASEプランニングケース

{ PLANNING CASE-03 }紙製品における新規物流
はじめての立ち上げ

秋山 信
2012年入社 
サービス推進部

学生時代は文学部に所属し、宮沢賢治について学ぶ。教員免許を取得するも、何か違う道に進みたいと考え、就職活動を行った。「なくならない仕事」を軸に企業を見て回る中で、物流に興味を持つ。

Chapter-01

目的や課題に合わせて、
物流センターをつくりあげる

就職活動では、インフラ関係の仕事を中心に見て回りました。電気、ガス、交通など、いわゆる、人が生活するためになくてはならない仕事です。その中の候補の一つに「物流」があったんですね。NTTロジスコを選んだ理由は、システムに強く、他社との差別化がしっかりとできていたからです。そして、入社してからは「物流設計」という仕事に携わることになりました。お客様にとって最適な物流を考え、実際に物流センターを稼働させ、そのアフターフォローまで行うことが主な役割。「ロジスティクスエンジニアリング(LE)」と呼ばれる仕事です。そういった仕事の中で、特に難しいと感じるのは、まったくの新規のお客様先で、まっさらな状態から物流を設計することですね。ある紙関連製品を取り扱う商社様を担当した時は、そのことを顕著に感じました。紙製品というと、コピー用紙のようなモノをイメージされるかもしれませんが、この時に取り扱ったのは、「原紙」と呼ばれるロール状のモノ。それを海外や国内の工場から入荷し、当社の物流センターに入れ、加工される工場やオフィスなどに発送していくといった内容です。「紙系」の製品は、NTTロジスコでも事例がなく、今後にノウハウを残せる重要な仕事になったと思います。

Chapter-02

はじめての物流を知るには、
どうするのが一番早いか?

新規立ち上げの場合、どういったモノが、どのくらい入ってくるのかといった情報をお客様からいただくところから、物流設計の仕事はスタートします。その情報を基に、通路の幅をミリ単位で決め、図面に起こしていくのです。そして、その図面通りに棚を設置したり、機械を据え付けしたり、そこで働くスタッフの方の作業手順に加え、製品の受け入れ時間や発送時間を決め、実際に稼働できるように倉庫を形づくっていきます。もちろん、どうすれば一番効率よくモノを動かせるのかという視点を意識しながら。そういったことを通常は半年から1年くらいかけてやっていくのですが、今回のお客様の場合、その期間が約3ヶ月しかありませんでした。正直、この話を聞いた時、恐らく無理だろうなと思ってしまうくらい短かったのです。でも、せっかく頼っていただいたからにはやりきりたい。そんな気持ちで取り組んだことを覚えています。しかしながら、はじめての紙製品。かなりの重量物であったことに加え、温度、湿度、日光と管理しなければならない項目も特殊で、ノウハウも乏しい。そこで、はじめの2〜3週間は、既存で使われていた倉庫を張り付きで見学させていただくことにしました。そして、ある程度の知識や技術を学べたところで、物流設計を開始したのです。

Chapter-03

それぞれの役割を明確にし、
かつてないスピードで

ノウハウが学べたのはいいものの、まだまだ解決しなければならない課題は山積みでした。「再販」と呼ばれる、出荷した先の企業が販売目的で使う製品だったため、外装には少しも傷をつけることができない。送り先が百貨店様の場合は、特別な納品書を使わなければならない。そういった品質管理や手順を決めながら、倉庫のレイアウトも同時に決めていくという状況だったんですね。その他にも、スタッフの募集、教育資料の作成、倉庫内の通信環境の構築も必要でした。そこで私が選択した方法は、営業、設計、輸配送管理、センターなど、本プロジェクトに関わる全員に、立ち上げから関わってもらうことでした。週に一度は全員で集まり進捗を報告。誰が何をやるべきなのかを、その都度明確にできたことで、かつてないスピード感でプロジェクトを進めることできたと思います。そして、今回のお相手が商社様だったことも、大きかったですね。以前に使われていた倉庫では、担当営業の方と倉庫の方が、阿吽の呼吸で出荷していたそうです。聞こえはいいですが、それはつまり、ブラックボックス化しているということ。担当が変更になってしまった時に、品質を落としかねません。そうならないために、業務全体が見える化できるような仕組みを考えました。その結果、品質が安定しただけでなく、「きちんとした倉庫を使っている」ということで、商談の材料になっているとも聞いています。何か新しいことをやりきれば、一つ武器が手に入る。そんな経験をしたことで、大きく成長することができたと思います。

※掲載内容は2019年取材時の情報です。