NTTロジスコ

導入事例Case

アヴェダ サービス株式会社

導入サービス | 理美容物流

事業の拡大に伴い、システマティックに管理可能な次世代理美容物流基盤を整備
物流データを活用した継続的な業務改善が可能な体制を構築

  • 在庫および出荷量の増加に対応した倉庫の見直しと物流処理能力の向上
  • システマティックに管理可能な次世代物流基盤の整備
  • 荷量増、取り扱いアイテムの拡大に柔軟に対応可能な物流体制を構築
  • 製品ロット別のトレーサビリティーに対応した倉庫管理システムの導入
  • 荷量波動にも対応可能な物流体制の実現
  • 保管・荷役・配送の物流プロセスの品質向上を実現
  • データの“見える化”で課題抽出と継続的な業務改善が可能に

アヴェダ サービス株式会社は、グローバルブランド「アヴェダ」の専門ディストリビューターとして
全国約350店舗の顧客であるアヴェダ取り扱い美容室に製品やサービスを提供しています。
近年の事業拡大に伴い既存の物流体制にいくつかの課題が顕在化していた中、同社はどのようにして
課題を解決していったのか、同社管理部の城戸義明氏にお話を伺いました。

  • アヴェダ サービス株式会社

    管理部 課長補佐

    城戸 義明氏

課題

事業拡大に伴う在庫および出荷量の増加に伴い、
システマティックに管理可能な次世代物流基盤の整備が必要になった

自然由来の成分にこだわり、世界中の女性から支持を集めるアメリカ生まれのプロフェッショナルブランド「アヴェダ」。日本国内でアヴェダの美容サロン向け製品の販売を一手に担っているのがガモウグループのアヴェダ サービス株式会社です。同社はアヴェダの専門ディストリビューターとして全国約350店舗のアヴェダ取り扱い美容室に製品やサービスを提供しています。ガモウグループの一員として商物分離への取り組みも早く、2004年の創業より物流体制を外部委託していますが、近年の事業拡大に伴い、既存の物流体制の刷新が求められていました。

同社管理部の城戸義明氏は、「当社の事業が拡大し、取引サロンや売上が拡大する中で、現状の物流体制に限界を感じていました。荷量の増加を支える物流基盤を強化し、システマティックに物流を管理できる次世代のロジスティクスに向けて一歩踏み出す必要があったのです。また、アヴェダのブランドイメージを守るため、配送サービスの品質にも問題意識を持っていました」と述べます。

そんな矢先、取り扱いアイテムの増加に加え、売上増により荷量が増加し倉庫スペースが手狭になってきたという喫緊の課題が持ち上がります。城戸氏は当時の倉庫状況をこう説明します。

「在庫が増えてきたことに加え、荷物を平置きしていたため、保管スペースが不足することはひっ迫した問題でした」。さらに、城戸氏は管理面の課題について「保管倉庫が分散していたため、正確な全体の在庫管理が困難な状況でした」と続けます。

そこで同社は、新たな倉庫の確保をはじめとした物流体制の刷新を決断します。間近に迫る基幹システムのバージョンアップに合わせて新たに倉庫管理システムを導入し、相互を連携させて在庫全体を“見える化”することも重要なミッションとなりました。

「次世代型ロジスティクスの構築に向けた、倉庫管理システムをつくりたいと考えました。できるだけ短納期で、かつ将来的なコスト削減も見据えた仕組みづくりを目指しました」(城戸氏)

こうして同社では次世代の物流体制構築に向け、パートナーの選定を開始します。

対策

課題に対する具体的な解決策を提示するなど
企画提案力を評価した3PL企業を選定

同社の新たなパートナー候補に挙がったのは5社でした。コスト、品質、拡張性、システム対応といった項目別の要望を受けて、各社が提案を行い選定が進みました。城戸氏は選定の経緯を振り返ります。「当初、美容業界の物流における実績を持つ事業者が有利な状況にあったのは事実です。しかし、最終的には化粧品業界の実績は豊富なものの、当時はほとんど美容業界の経験がないNTTロジスコをパートナーに選定しました。私たちの提示したさまざまな課題を一緒になって考え、改善してくれそうな姿勢を高く評価したからです」

複数のメーカーやブランドの製品を扱う一般的な美容ディーラーとは異なり、同社はアヴェダという単一ブランドの製品のみを扱う専門ディストリビューターです。その部分を踏まえた提案になっていたことが選定理由だと城戸氏は分析します。

「配送コストの低減も大きな魅力でしたが、決め手となったのは企画提案力です。私たちが提示した課題に対応した改善提案を具体的に提示し、専用のスキームまで組んでくれたことが大きかったです。一般的な美容ディーラーと異なる私たちの業態に合わせて、しっかり考えてもらえていることが伝わりました」

基幹システムの刷新に合わせた倉庫管理システム導入や相互連携に向け、ITに精通したNTTグループであったことも選定の後押しになりました。さらにリアルタイムな在庫管理、製品のロット管理、注文データのバッチ処理、同一納品先の注文情報のマージができるクラウド型倉庫管理システムを提供できることも、大きな安心材料でした。

こうして新たな物流体制の構築はスタートします。同社にとって物流体制の切り替えは初めての経験のため、城戸氏は少なからず不安もあったと言います。「しかし定期的な打ち合わせで意見のすり合わせを行い、かなり細かいところまで綿密に詰められたことが安心材料になりました。おかげでタイトなスケジュールにも関わらず予定通りに作業は完了し、2014年6月に無事スタートを切ることができました。

効果

物流基盤が強化され売上高約15%増、取引先数約20%拡大
物流データの“見える化”で課題の改善対応も加速

現在、NTTロジスコの千葉物流センターに同社の物流倉庫はあります。高級美容サロン向けのヘアケア、スキンケアといったデリケートな製品の品質を維持するために空調を完備し、これまで平置きだった製品は4段積みのラックに保管され、荷量の増減にも柔軟に対応できるようになっています。城戸氏は、まず物流センター全体で取り組む運用体制について評価します。

「倉庫スペースが広くなり、在庫の増減に応じてスペースの拡張や最適な人数をシフト配置することが可能になりました。へアサロンは週末に来客者が多いため、月曜は通常の3~4倍の発注量があります。データを活用した荷量予測に基づいて、荷量の増減に合わせた最適な人員配置をするレイバーコントロールを千葉物流センター全体で実行してくれています」

さらに城戸氏が続けます。「双方で日次単位の荷量の予測と実績管理を行うことにより、出荷能力が把握できているので、注文データを送った後に出荷できなかったということがないので安心できます」

アヴェダ サービス物流センター(千葉県市川市)

また、城戸氏は物流センターのスタッフのレベルの高さについても触れます。

「リーダーがパートの皆さんをしっかり教育していて、スキルにばらつきがありません。梱包の仕方ひとつとっても作業が標準化されていて、高い品質が保たれています。物流センターには作業者用の訓練道場が設けられ、現場の人材育成への熱心さを感じました」

こうした改善活動を支えているのは、すべての在庫を1つの物流倉庫に集約し、倉庫管理システムで各種データを“見える化”したことにあると城戸氏は解説します。

「すべての在庫が、ひと目でわかるようになりました。さらに、製品のロットがシステム管理できるようになったことが大きなポイントです。当社はオーガニック製品を取り扱っているため、品質管理を非常に重視しており使用期限も設けています。どのお客さまにどの製品が渡ったかロット単位でトレースできるようになり、万が一の場合に迅速に対応できるようになりました。これによって管理稼動も大幅に削減されました」

さらに、物流データを活用した改善提案にも取り組んでいます。納品先ごとの物流コスト分析を行い、多くのサロンが1日に複数回注文していた現状を“見える化”し、なるべく発注をまとめていただく改善提案を実施。その結果、梱包数を削減するという改善につながりました。

すでに同社とNTTロジスコによるパートナーシップは8年目に突入。現在も月に一度のペースで定例会議が開かれており、“見える化”したデータによる改善活動は続いています。その間、同社の売上は約15%、取引先数は約20%まで拡大しており、その一因を物流の処理能力向上と改善活動が担っていると言えそうです。

たとえば、梱包箱の中に箱内部に商品を保護する「仕切り板」を導入。1箱に入る商品数を増やすことで、お届けする箱数を削減し、梱包資材の削減や輸送費削減(CO2削減)によるブランドイメージであるエコロジーの具現化を物流面からも実行しています。

最後に、城戸氏は今回の取り組みを総括します。「私たちの最大の狙いはコストの低減だけではなく、アヴェダの高品質でエコロジーなブランドイメージを物流にまで徹底することです。NTTロジスコとのパートナーシップにより、高品質の保管・荷役・配送を実現する総合力の高い物流体制を構築することができました。こちらの要求に対して、定例会議で必要なデータは出してもらえますので、迅速な改善活動による品質向上も図れています。今後は美容業界にイノベーションを起こすモデルケースを目指し、物流の枠を超えた取り組みを一緒に進めていきたいと考えています」

プロフェッショナルブランド「アヴェダ」のイメージアップ、その製品を扱うアヴェダサロンの成功、そこに通う顧客の美しさを支えるために、これからも同社の物流改革をNTTロジスコが推進します。

企業プロフィール

社名 アヴェダ サービス株式会社
本社 東京都港区南青山6-13-23
事業内容 株式会社ガモウ、ELGC株式会社の合弁会社。
アヴェダ製品を美容室へ供給、取り扱い美容室の設定とそのフォローを行う専門ディストリビューター。製品販売・情報提供・セミナーを通し人材教育及びマネージメントをサポート。
URL http://aveda-services.jp/

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