NTTロジスコ

第8回 多様化するIT機器物流を支える現場力-埼玉花崎センターの挑戦

Saitou Yoshihide

Saitou Yoshihide

第7回「在庫精度向上を起点とした現場改善とお客様価値の創出」では、エンターテインメントグッズ物流における在庫精度の向上手法についてご紹介しました。今回は、物流センターでスタッフの人材育成と物流全体管理を担当する当社埼玉花崎センターのIT機器物流齋藤佳英が「多様化するIT機器物流を支える現場力-埼玉花崎センターの挑戦」について語ります。

齋藤さんのこれまでの経歴を教えてください。

私は2010年よりNTTロジスコ埼玉物流センターに勤務し、NTTグループの物流業務に従事してきました。2015年からは平和島物流センターで通販物流や医療機器物流を経験し、2018年に新設された埼玉花崎センターでは、IT機器物流を中心に複数のお客様の物流運営を担当しています。
現在は、各物流の収支管理や中長期的な人員計画の策定、センター運営の総括業務等を担当しています。

埼玉花崎センターのIT機器物流ではどのような課題がありますか。

埼玉花崎センターは2018年の開設以降、主に情報通信サービス事業者の工事部材を中心とした複数のお客様の物流業務を担ってきました。2025年には新たに4社のお客様の物流業務が加わり、取扱製品も情報通信関連に加えて、EV充電機器、ケーブルテレビ関連工事部材、パソコン端末などへと多様化しています。
一口にIT機器物流といっても、製品特性や出荷形態はお客様ごとに異なります。運用にあたってお客様から求められるご要望も「在庫管理精度の向上」、「工事単位での出荷」、「繁閑差に応じた柔軟なリソース運用」、「キッティングやケーブル分線など専門性の高い流通加工業務の委託」など多岐にわたります。こうした多様なニーズに対応しながら、安定した物流運営を実現することが求められています。

NTTロジスコとしてどのような提案を行い、どのような効果が得られましたか。

お客様の「在庫管理精度の向上」や「工事単位での出荷」といったご要望に対しては、当社の業務設計・システム担当と連携し、製品管理の粒度や出荷単位など、お客様ごとのビジネス特性を踏まえた上で、将来的な機能拡張も見据えたWMS(倉庫管理システム)をご提案しています。システム要件定義は当社のシステム担当が担いますが、現場での運用視点から、長年IT機器物流に携わってきた経験を活かし、倉庫内オペレーションの最適化につながる業務フローの整理については、当センターが主導しています。これにより、従来お客様側で対応されていた煩雑な在庫管理業務を当社が一元的に担う体制を構築し、お客様にはよりコアな業務へ注力いただける環境をご提供しています。

また、「工事単位での納品」に対応することで、納品先での工事単位の再仕分け作業が不要となり、施工作業を円滑に開始できる点についても、お客様から高い評価をいただいています。

「繁閑差への対応」については、各物流の荷量の季節波動を踏まえ、必要スペースと人員数をシミュレーションしました。その上で、波動に応じて異なった物流業務間でリソースを柔軟に再配分する運営体制を構築しています。そのため、複数の物流業務に対応できるスタッフの育成にも注力しています。

さらに、「キッティングやケーブル分線など専門性の高い流通加工業務」への対応では、従来繁忙期に備えて閑散期に分線済みケーブルを事前に準備していたお客様に対し、運用改善をご提案しました。お客様からは「分線済み在庫を極力減らし、在庫管理精度を適正化したい」といったご要望を頂いていました。
これに対し当社では、まず在庫の棚卸を行い、分線済みケーブルの在庫を可視化しました。その上で、既存在庫を優先的に出荷して在庫を削減しながら、オーダー毎に必要量を分線する運用へと見直しました。
さらに、NTTグループのケーブル資材物流業務で長年培ってきた運営ノウハウを活かし、「分線ツール」の導入を提案しました。「分線ツール」は、出荷指示に応じて製品名や分線後の長さ(メートル)が記載されたラベルを自動出力する仕組みで、作業の標準化と高品質な出荷作業を支援します。これらの取り組みにより、分線済みケーブルの在庫は当社での運用開始から約半年で37%まで削減することができたのと同時に、ピッキング作業の効率も向上しました。

加えて、NTTグループ企業の物流業務で培った作業フローや作業手順書整備のノウハウを、NTTグループ外のお客様にも展開しています。スタッフの習熟度に応じた段階的な育成を推進することで、専門的な作業にも対応可能な人材を安定的に確保し、柔軟な運営体制を構築しています。さらに、スタッフの多能工化が進むことで、限られた人的リソースを最大限に活用できる体制を整えるとともに、現場に蓄積された専門的なノウハウは新たな物流提案にもつながっています。

複数の物流を同時に立ち上げる中で、特に印象に残っているエピソードはありますか。

2025年6月に開始したばかりの新規物流の繁忙期と、同年10月に開始した別物流の立上げが重なったことが特に印象に残っています。
6月に開始した物流は、繁閑差が非常に大きく、繁忙期には流通加工作業量も増加します。そのため、運用開始直後から繁忙期を見据え、お客様提供の動画の作業マニュアルやサンプル機材を活用し、他物流のスタッフの教育を進めました。こうした事前準備により、繁忙期においてもスムーズに対応でき、10月に開始した物流の立上げと並行しながら安定運営を維持することができました。
物流は突発的対応力も重要ですが、繁忙期や波動を見据えて事前準備と現場のチームワークが安定運営の鍵になると改めて実感しました。

現場で大切にしていることは何ですか。

最も大切にしているのは、センターで働くスタッフとのコミュニケーションです。管理職からの情報発信はどうしても一方向になりがちです。だからこそ、日常の声がけを通じてスタッフと目線を合わせ、現場の声を丁寧に拾い上げることを常に意識しています。
また、埼玉花崎センターでは開設当初から「挨拶の徹底」にも取り組んできました。お客様はもちろん、協力会社や社内のスタッフに対しても、全員がお互いに声を掛け合う文化を築いています。
こうした信頼関係の積み重ねこそが、センター全体の推進力や団結力向上に繋がると考えています。

今後の齋藤さんの意気込みを教えてください。

現在の業務は完成形ではなく、今日においても配送エリアの拡大や取扱商品の増加など、新たなご要望を頂いています。今後も安定運用を継続しつつ、こうしたお客様の事業動向や商品トレンドの変化に柔軟かつ迅速に対応していきたいと考えています。
また、IT機器物流同士の親和性を活かした共同配送等、お客様に対して新たな付加価値をご提供できるサービスについても、引き続き検討・提案してまいります。
これまで培ってきたIT機器物流の運営ノウハウと現場力を活かし、3.5PL事業者としてNTTロジスコならではの価値を継続的にご提供することで、お客様の事業成長に一層貢献していきたいと思います。

※お客様企業の物流戦略の策定(4PL)から実際の物流運営(3PL)までのサプライチェーンに関わる様々な課題解決を実現するNTTロジスコ独自の事業モデル。

ありがとうございました。

齋藤 佳英(さいとう よしひで)

埼玉物流センター IT機器物流 主査
ロジスティクス検定オペレーション2級/管理2級、TPS検4定級

物流センターでのお客様物流全体管理・統括

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